一旦、休憩したい。

 カップラーメンを一人ズルズルとすする。すぐ後ろでお父さんがチャーハンを作っていて、ごま油のいい匂いが漂ってくる。お母さんは大好きな刑事ドラマを見、弟は部屋で友達と盛り上がっている。つまり、全体的にうるさい。
 私は何となく苛ついていた。弟たちの笑い声が妙に癪に障る。
 明日は祝日で、学校がない。だからかもしれない。皆のびのびとしていて、何だか窮屈だ。休日は一人でいたい。一人で部屋の掃除をして、布団を干して、窓を開けて風通しをよくして、ノリのいい音楽を聴きながら読書をする。それが理想だ。だから、こんなに散らかった部屋の隅っこでインスタントラーメンを食べているこの状況が不満なのだ。
 自分だけの時間が欲しい。ゆっくりと色んなことを考えられる時間と余裕が欲しい。でも多分それは家族のせいだけじゃない。私の精神的な問題も多少はある。
 大人に近づくにつれて、段々と休日の過ごし方が下手糞になっていく気がする。考えることが多すぎて、心に余裕が持てない。平日の忙しさに自分を見失い、休日にはもぬけの殻になる。そんな感じだ。

 雲が出てきて、まだ午後三時だというのに部屋の中は薄暗い。
 季節は夏。もうじきこの空も晴れ、真っ青な空に蝉の鳴き声が響き渡るのだろう。そんなことを思いながら、私は一人、ゆっくりと息を吐いた。
 もうじき夏休みが始まる。それまでの辛抱だ。  

- end -

2009/07/19